leopardgeckoのブログ

Macの関連事項など

トラックボール(CST2545)のUSBケーブルを交換する

「このご時世にトラックボール?」という声が聞こえてきそうですが、ここで紹介するCST2545というトラックボールは最近流行りの(?)自作系のメカニカルキーボードに興味がある方ならば海外のサイトなどで時々見かけることもあるものだろうと思います。Massdropにも時々登場します。このレトロチックで大味とも言える大玉トラックボールはメカニカル系の周辺機器を愛する人には相性が良いのでしょう。

これは今時珍しい Made in USA の製品で、作りはかなり無骨です。USBケーブルも太くて長いもので、これをもっと短く格好良いものに交換したいと思っていたのですが、実際にやってみたら案外簡単だったので方法を紹介します。

注:当然保証などは受けられなくなるでしょうから、あくまで自己責任でお願いします。

必要な材料

  • 適当なUSBケーブル
    何でもお好きなもので。ケーブルは途中で切るので、一方の端が標準タイプのいわゆるAコネクタであれば問題ありません。この記事では以下のケーブルを使っています。
    ミヨシ miyoshi USB-MT201/BK
  • コネクタ用ハウジング 2 x 3(6P)
    USBケーブルを本体に接続するためのハウジングです。いわゆるQIコネクタ用のもので一般的なものです。 akizukidenshi.com
  • ケーブル用コネクタ
    USBケーブルをハウジングに取り付けるためのコネクタです。これも汎用品です。 akizukidenshi.com
  • アンフェノール製 カラーブーツミニ
    USBケーブルを本体に取り付ける際にグラグラしないように固定させる用途で使います。
    ケーブルを固定するものを探していて偶然見つけたのですが、測ったかのようにジャストサイズでした。 oyaide.com

ケーブル以外の部品は総額で200円もしないというお財布に優しいDIYとなっております。

やり方

本体をひっくり返してみると裏面はこのようになっています。 f:id:leopardgecko:20190417141338j:plain

上の方にネジが2本あります。下の方に「UNPLUG BEFORE SERVICE」というシールがありますが、これを剥がすともう一つのネジが見えてきます。 f:id:leopardgecko:20190417141520j:plain

この3本のネジを外せば本体の上蓋が簡単に外れます。上蓋とボールを取り外すと以下のようになります。 f:id:leopardgecko:20190417141647j:plain

下の画像で青丸の部分がコネクタ用ハウジングです。どの色の線がハウジングのどこに刺さっているかを確認しておき、ハウジングを引っこ抜きます。ハウジングは指でつかんで上に引っ張るだけで抜けるのですが、少々きつい上に基板はガッチリと固定されているわけではないので、反対の手で基板を押さえながら抜いたほうが良いでしょう。
f:id:leopardgecko:20190417154020j:plain

ハウジングを抜くと以下のようにケーブルを完全に取り外すことができます。外したケーブルは以降の作業では使いません。(このハウジングを外して再利用しようと思えばできるのですが、破損の危険もあるのでお勧めはしません) f:id:leopardgecko:20190417142256j:plain

準備した新しいUSBケーブルを希望の長さより少々長めにちょん切ります。ケーブルにアンフェノール製カラーブーツミニを通しておきます(今回はナイロンのスリーブつきケーブルを使ったので、ブーツを通すためにケーブル先端部に一時的にテープを巻きつけました)。ケーブルのブーツを装着する位置にテープを厚めに巻いておくとブーツが動かないように固定できます。

ケーブルの被覆をむくと中に4本の線が入っているので、それぞれにケーブル用コネクタを圧着します。コネクタの付け方は他サイトを参照してください。
(工具の関係などで圧着ができない場合は、2.54mmピッチのメスのコネクタ付きケーブル(いわゆるQIケーブル)を買って途中で切り、USBケーブルの4本の線にそれぞれハンダ付けで繋ぎ、接続部を熱収縮チューブなどで保護するなどの手も使えるだろうと思います)

ブーツとコネクタを取り付けると以下のようになります。 f:id:leopardgecko:20190417143555j:plain

以下のように、もともと装着されていたハウジングとケーブルの色の位置と同じになるようにケーブル用コネクタを新しいハウジングにはめ込みます。 f:id:leopardgecko:20190417143946j:plain

そのハウジングを向きを間違えないように本体に差し込んで、本体のケーブルが通る場所にカラーブーツをはめ込みます。 f:id:leopardgecko:20190417144124j:plain

あとは上蓋とボールを戻してネジで止めれば完成です。 f:id:leopardgecko:20190417144247j:plain だいぶスマートな雰囲気になりました。自分で言うのもなんですが、外観はカラーブーツのおかげもあって既製品レベルだと思います。

元の構造を破壊するわけではないので、元のケーブルに差し替えれば最初の状態に戻すことも可能です。

おまけ

ケーブルの代わりに以下のような製品を取り付ければケーブルを脱着式にすることも可能でしょう。ただしこの部品を取り付けるために本体を削ったり固定方法を工夫したりする必要はあるでしょうから、腕に覚えのある方は挑戦してみてください。 akizukidenshi.com

GeekToolでディスク(ストレージ)容量を整理して表示する。(改訂版)

GeekToolというのはMacのデスクトップをカスタマイズするツールです。 だいぶ前にGeekToolでディスク容量を表示するスクリプトを紹介しましたが、その後macOSの仕様変更などもあり、スクリプトを全体的に見直して記事を書きなおすことにしました。以前の記事とかぶる部分もありますがご容赦ください。

GeekToolでマウントしているディスク容量を表示するには、簡単なスクリプトでは

df -hl

というものがあります。これを実行すると表示は以下のようになります。

Filesystem     Size   Used  Avail Capacity  iused               ifree %iused  Mounted on
/dev/disk2s1  1.0Ti  140Gi  893Gi    14%  2008826 9223372036852766981    0%   /
/dev/disk2s4  1.0Ti  3.0Gi  893Gi     1%        3 9223372036854775804    0%   /private/var/vm
/dev/disk4s2  931Gi  716Gi  215Gi    77%   327559          4294639720    0%   /Volumes/名称未設定
/dev/disk3s2  1.8Ti  1.6Ti  198Gi    90% 30367734          4264599545    1%   /Volumes/Time Machine

これだけでも使えないことはないのですが、余計な情報が多いので表示を整理してみます。
情報をトータル容量と使用容量と空き容量とディスク名に絞り、ネットワーク経由でマウントしているディスクも表示するスクリプトは以下の通りです。等幅フォントを指定してください。

ディスク容量 その1

df -h | grep 'Filesystem\|/dev/disk\|/Volumes/' | grep -v 'private/var/vm\|firmwaresyncd\|com.apple.TimeMachine.localsnapshots' | awk '{for(i=2;i<=4;i++){gsub("Ti","TB",$i);gsub("Gi","GB",$i);gsub("Mi","MB",$i)};printf " %5s  %5s  %5s  %8s  ",$2,$3,$4,$5;for(i=9;i<=NF;i++)printf $i" ";print ""}'

このスクリプトでは以下のような表示になります。

  Size   Used  Avail  Capacity  Mounted on 
 1.0TB  139GB  893GB       14%  / 
 931GB  716GB  215GB       77%  /Volumes/名称未設定 
 1.8TB  1.6TB  198GB       90%  /Volumes/Time Machine 

ここで終わりにしても良いのですが、さらに一歩進んでこんな感じの表示にしてみます。

f:id:leopardgecko:20190205153459p:plain

一番上の行に下線をつけて、ドライブ名をFinderでの一般的な表示にして左側に移し、使用量の割合にグラフを追加しています。
スクリプトは以下の通りです。ディスク名をもっと長く(または短く)表示したい場合は、スクリプトの最初の方にあるdisknameln=17というところの数字を変更してください。ディスク名に日本語を使っている場合は日本語に対応した等幅フォントRicty、Osaka-Monoなど)が必要です。上の画像ではRicty Discordを使用しています。

ディスク容量 その2

このスクリプトのGeekletは以下からダウンロードできます。

[Geekletのダウンロード]

ちょっと解説

ど素人の書いたスクリプトなので変なところが色々あると思いますが・・・
一番大変だったのはprintfで日本語の桁数を合わせて表示することでした。シェルスクリプトの中での日本語の扱いは、多くの場合で表示は2文字分で中身は3バイトで文字数をカウントすると1文字という非常に面倒くさい状況です。そこをどうやって帳尻を合わせるかを考えるのが面倒でした。
ニーズがありそうな話なのでネットに情報があるかと思ったのですがどういうわけか中途半端な情報しかなく、長さがわからない文字列の桁数を揃えて表示するための方法は自分で考える必要がありました。かなり強引な処理をやっているので本当にこれで良いのかは疑問が残るところもあるのですが、一応思った通りに動作はしているのでひとまずはこれで良しとします。
もっとスマートなやり方をご存知の方がおられたらご一報いただければ嬉しいです・・・

Planckキーボード:Lowerキーのダブルタップでレイヤーをロック(トグル)する。

今回はPlanckキーボードというよりはQMK Firmwareの話です。

はじめに

小型キーボードで面倒なことの一つに数値の入力があります。フルサイズのキーボードならテンキーがあるので楽ですが、Planckのようないわゆる40%サイズのキーボードの場合は何か別のキーとの同時押しで数値を入力しなければなりません。
そこで考えたのが、Lowerレイヤーをテンキー配列にしてレイヤーをロックする機能をつけることです。それだけなら前回の記事で紹介したキーマップでも実現できているのですが、今回はそれに加えてLowerキーをダブルタップしてLowerレイヤーをロック(トグル)する方法を紹介します。LowerキーをダブルタップすればPlanckがテンキーとして使えるようになるので数値の入力が格段に楽になります。以前紹介した、単押しでMacの「英数」およびWindowsの「無変換」キーとしても使える機能はそのままです。ロックされたLowerレイヤーはもう一度Lowerキーを押すとデフォルトレイヤーに戻るようにします。

考え方

QMK FirmwareのTap Dance機能を使います。ただ単にTap Danceを実装しただけでは単押し(タップ)と長押し(ホールド)の使い分けに問題が生じます。どういうわけかホールドと認識されるまでの時間が長くなってしまい、Lowerレイヤーの文字を入力したつもりでもデフォルトレイヤーの文字が入力されてしまうという誤動作が増えてしまうのです。かといってそれを避けるためにタップの時間設定である「TAPPING TERM」を短くすると、ダブルタップをものすごく速くやらないと認識されないというジレンマに陥ります。その問題点を解決するためには「PERMISSIVE HOLD」という機能を併用します。これはTAPPING TERMの設定がどうあれ修飾キーを押した後に他のキーを押すと最初に押したキーがホールドの扱いになるというものです。

やり方

Lowerレイヤーはテンキーっぽいキーマップにしておいた方がレイヤーをロックするメリットを実感できます。例えばこんな感じで。

/* Lower
 * ,-----------------------------------------------------------------------------------.
 * |      |   1  |   2  |   3  |   4  |   5  |   6  |   7  |   8  |   9  |   0  | Bksp |
 * |------+------+------+------+------+-------------+------+------+------+------+------|
 * |      |      |      |      |      |   ,  |   +  |   4  |   5  |   6  |   *  |      |
 * |------+------+------+------+------+------|------+------+------+------+------+------|
 * |      |      |      |      |      |   .  |   -  |   1  |   2  |   3  |   /  |   =  |
 * |------+------+------+------+------+------+------+------+------+------+------+------|
 * |      |      |      |      |      |             |   0  |      |      |      |      |
 * `-----------------------------------------------------------------------------------'
 */

機能面での書き方ですが、まず「config.h」ファイルに先ほどのPERMISSIVE_HOLDを有効にするために「#define PERMISSIVE_HOLD」という記述を追加します。これだけでも良いのですが、ダブルタップの誤動作を防ぐためにTAPPING_TERMを180くらいのやや短めに設定しておきます。このくらいの設定だとゆっくりめのダブルタップをすると「英数」キーのダブルタップとしても使えるので、慣れるとレイヤーロックと「英数」ダブルタップの使い分けができるようになります。

#define TAPPING_TERM 180
#define PERMISSIVE_HOLD

「rules.mk」ファイルでTap Danceを有効にします。ファイルサイズが大きくなってしまうので、マウスキーを無効にしておいた方が良いでしょう。それでもファイルがサイズオーバになってしまう場合はデバッグ用のコンソールも無効にします。

TAP_DANCE_ENABLE = yes
MOUSEKEY_ENABLE  = no
CONSOLE_ENABLE = no

次に「keymap.c」の記述です。以下はQMK Firmwareの公式ドキュメントの応用です。
最初の方にTap Danceのキーコードの設定を書きます。ここでは「TAP_L」という名前で定義しています。

// Tap Danceの設定
enum {
 X_TAP_DANCE_1 = 0,
};
#define TAP_L TD(X_TAP_DANCE_1)     // タップで「英数」「無変換」 ホールドでLower  ダブルタップでLowerレイヤーのトグル

ファイルの最後の方にTap Danceの動作を書きます。

// Tap danceの設定
enum {
  SINGLE_TAP = 1,
  SINGLE_HOLD = 2,
  DOUBLE_TAP = 3,
};

typedef struct {
  bool is_press_action;
  int state;
} tap;

int cur_dance (qk_tap_dance_state_t *state) {
  if (state->count == 1) {
    if (!state->pressed) return SINGLE_TAP;
    else return SINGLE_HOLD;
  }
  else if (state->count == 2) {
    return DOUBLE_TAP;
  }
  else return 6; //magic number. At some point this method will expand to work for more presses
}

//instanalize an instance of 'tap' for the 'x' tap dance.
static tap xtap_state = {
  .is_press_action = true,
  .state = 0
};

void x_finished_1 (qk_tap_dance_state_t *state, void *user_data) {
  xtap_state.state = cur_dance(state);
  switch (xtap_state.state) {
    case SINGLE_TAP:                     // 単押しで「英数」と「無変換」 Lowerレイヤーがトグルされている場合はレイヤーをオフにする
        if (IS_LAYER_ON(_LOWER)){
            layer_off(_LOWER);
        } else {
        register_code(KC_MHEN);
        register_code(KC_LANG2);
        }
        break;
    case SINGLE_HOLD:                   // 長押しでLowerレイヤーをオンにする
        layer_on(_LOWER);
        break;
    case DOUBLE_TAP:                    // ダブルタップでLowerレイヤーをトグル
        layer_invert(_LOWER); 
        break;
  }
}

void x_reset_1 (qk_tap_dance_state_t *state, void *user_data) {
  switch (xtap_state.state) {
    case SINGLE_TAP:  
        unregister_code(KC_LANG2);
        unregister_code(KC_MHEN); 
        break;
    case SINGLE_HOLD: 
        layer_off(_LOWER);
        break;
    case DOUBLE_TAP:  break;
  }
  xtap_state.state = 0;
}

qk_tap_dance_action_t tap_dance_actions[] = {
 [X_TAP_DANCE_1] = ACTION_TAP_DANCE_FN_ADVANCED(NULL, x_finished_1, x_reset_1),
};

最後にkeymap.cのキーマップで設定しているLowerキーのキーコードを「TAP_L」に書き換えれば終了です。

これだけだとレイヤーがロックされているのかどうかがわかりにくいため、サウンドやLEDの併用をお勧めします。
サウンドやLEDの機能も含めたキーマップのファイルを以下で配布します。仕様は前回記事とほぼ同じで、今回紹介したTap Danceの機能が加えられています。ファームウェアのサイズの問題でマウスキーは無効にしています。仕様については前回記事を参照してください。

キーマップファイルのダウンロードはこちらから

最後に

ミニサイズのキーボードは指の動きが少なくて済むのは良いのですが、複数キーの同時押しがほぼ確実に求められる点は面倒に感じることもあります。特に数字の入力が片手でできないのは個人的に結構なストレスでした。しかしPlanckでテンキーのレイヤーを作ってレイヤーをロックできるようにしてからはその不満はほぼなくなりました。
Tap Danceはただ単に実装しただけでは動作速度での難点があり使いにくいものだったのですが、最近「PERMISSIVE_HOLD」の存在を知って加えてみたところ見事に思ったような動作になりました。ちょっとした工夫でグッと使い勝手が良くなるのもQMK Firmwareの面白いところだと思います。

Planckキーボード:レイヤーを切り替えずにMacとWindowsで共用する。

はじめに

MacWindowsで同じキーボードを使いまわしたい場合、PlanckはMacではUS配列で認識され、WindowsではJIS配列のキーボードとして認識されます。そこで、記号の入力をどうやって一致させるのかという問題が生じます。特に問題になるのは、シフトキーを押しながら「;(セミコロン)」を押したときと「’(シングルクォーテーション)」と「”(ダブルクォート)」の入力でしょう。記号は全て別のレイヤーに追いやってしまう手もありますが、普通のQWERTY配列で使っている場合はこれだけはデフォルトレイヤーに残しておきたいという人も多いのではないでしょうか。
どちらもJIS配列として使うならばMacのシステム環境設定でキーボードをUSからJISに切り替えるだけで済みますが、問題はどちらもUS配列として使いたい場合です。古めのWindowsでUS配列のキーボードとして認識させるにはレジストリを書き換えるなど少々面倒な作業が必要になるようです。また、共用のPCで使いたい時などはそこまでいじるわけにはいかない場合もあるでしょう。
以前公開した記事のようにMacWindowsのレイヤーをそれぞれ用意する方法もありますが、いちいちレイヤーを切り替えるのは面倒ですしデフォルトレイヤーがどちらに設定されているのかがわからなくなってしまうこともあるでしょう。
そこで、OS標準の簡単な作業をするだけでMacでもWindowsでもレイヤーの切り替えなしでUS配列のキーボードとして使う方法を考えました。以前の記事とかぶる部分もありますが、これまでの集大成ということでご容赦ください。

考え方

  • MacでもWidowsでもJIS配列のキーボードとして認識させておいて、実際にはUS配列として使えるキーマップを作ります。
  • コピペなどのキー操作を統一させるために、MacのコマンドキーがWindowsではコントロールキーとして動作するようにします。
  • MacでもWindowsでも同じキーで日本語と英語の入力切り替えができるようにします。

やり方

以下のキーマップをダウンロードしてコンパイルし、Planckに転送します。keymap.cだけでなく全てのファイルを入れてください。
キー配列は適宜ご自身の使いやすいものに変えてください。

キーマップのファイルはここからダウンロード
動作確認環境:Planck PCB rev 4、QMK Firmware 0.6.214

次にMacのシステム環境設定を開き、「キーボード」からPlanckをJIS配列のキーボードとして認識させます。具体的なやり方は他サイトを参照してください。

また、同じくシステム環境設定の「キーボード」から、「修飾キー」のボタンを押し、CommandキーとControlキーを入れ替えます。これでMacのCommandキーがWindowsで使うときはControlキーになりますので、同じキーでコピペなどができるようになります。
(Command/Controlキーの入れ替えは不要!という方は、上記の入れ替え作業をやらずにconfig.hの12行目の「#define SWAP_LCTR_LGUI」を削除してください。Controlキーの位置は変わらず、MacでのCommandキーがWindowsではWindowsキーになります)

WindowsではOSの標準機能で「無変換」キーをIMEオフ(日本語入力オフ)に、「変換」キーをIMEオン(日本語入力オン)に割り当てておきます。具体的なやり方は他サイトを参照してください。

キーマップの説明

LowerとRaise以外にも二つのレイヤーを用意しましたが、MacWindowsの共有には直接関係ないオマケですので必ずしも使う必要はありません。keymap.cを見たい場合はこちらから

レイヤー 説明
JIS/US デフォルトレイヤー。通常のQWERTY配列です。JISとUSの2種類がありますが、MacとWidowsだけで使うならUSレイヤーに切り替える必要はありません。US配列でしか認識できない機器(iOS機など)で使うときにはUSレイヤーに切り替えてください。
Lower 主に数字入力とメディアキー用。テンキー様配列もあります。後述のようにレイヤーをトグル(ロック)できるので、数値だけ入力する際には楽でしょう。
Raise 主に記号入力とメディアキー用。Lower同様にトグルできます。(記号のレイヤーをロックしてもあまり意味はないかもしれませんが・・・)
Function_1 Escキーの長押しでオンになります。移動、ウインドウやタブの切り替え、Lower/Raiseレイヤーにトグルするためのレイヤーです。Escキーを押しながらLower/Raiseキーを押せばLower/Raiseレイヤーにトグルできます。もう一度Lower/Raiseキーを押せば解除されデフォルトレイヤーに戻ります。
Function_2 Tabキーの長押しでオンになります。マクロ入力用のレイヤーです。お好きな設定にしてみてください。
Adjust 設定を変更するためのレイヤーです。デフォルトのJIS/USレイヤーを切り替える、ファームウェア書き換えモードに移る、バックライトの強さを変える、など。Mac用のパワーキー(一発でスリープできる)、Windows用のタスクマネージャーを呼び出すキーも用意しました。
  • その他解説

    • MacWindowsのどちらでもLowerキーの単押しで英語入力、Raiseキーの単押しで日本語入力になります。
    • LED対応です。オンになっているレイヤーによって光の点滅速度が変わります。Lower/Raiseをトグルしているかどうかの判断にも便利です。レイヤーをオンにするたびに点滅するので全てのキーにLEDを仕込むと鬱陶しいかもしれません。私はLower/Raiseキーだけに2x3x4mmの角形LEDを入れています。
    • サウンド対応しています。Lower/Raiseのトグルon/offや、Adjustキーを押した時などにサウンドが鳴ります。誤動作防止の役に立つでしょう。
    • コンパイルされたファームウェアはPlanckのメモリギリギリのサイズになります。「LED点灯やマウスキーはいらないけどマクロをいっぱい設定したい!」というような場合には「rules.mk」ファイルの「BACKLIGHT_ENABLE」や「MOUSEKEY_ENABLE」を「no」に設定してください。特にマウスキーをオフにするとメモリがだいぶ空きます。

下はLEDやレイヤートグルの動作紹介の動画です。(この動画ではダブルタップも出てきますが、今回のファームウェアには実装していません)

最後に

新しいMacに接続するときはJIS配列として認識させてコマンドキーとコントロールキーを入れ替えるだけ、Windowsで使いたいときは無変換/変換キーの設定をするだけで全く同じ使い勝手になります。

QMK Firmwareの良いところは、C言語で動作するのでアイデア次第でこのような極めて強引な手法も簡単に実現できてしまうことでしょう。自作系キーボードでは単純にキーを並べ替えるだけではない機能的なカスタマイズも楽しいものだろうと思います。

ビルケンシュトックのコルク修理・補修剤について。

久しぶりの更新なのにMacと何の関係もない話題で申し訳ないですが、ネットで検索しても同じ情報がなかったので情報提供のために書いておきます。

 

ビルケンシュトックのサンダルはフットベッドがコルクでできていて、多くのモデルではかかとの部分などでコルクが露出しています。ここはツルツルにコーティングされているのですが、履いているうちにツヤが取れてパサパサした感じになり、徐々にヘタってきます。

そのコルク部分の補修剤として以前はビルケンシュトック純正の「Kork Pflege」という製品が売られていたのですが、現在では製造中止になったのかどうかは知りませんがネットでも直営店でも入手できないようです。

「Kork Pflege」は木工用ボンドのような感じのものだったので木工用ボンドで代用できないかとも考えたのですが、ものによっては水に濡れると白濁したり溶けたりすることもあるようで、やはり専用品でないと不安です。そこで調べてみたところ、海外に「Kelly’s Cork Renew」なるコルク補修剤があることがわかりました。もちろんサンダルのフットベッドに使うための専用品です。ところが日本では取り扱っているところがほとんどなく、日本のAmazonでは一応買えるのですがとんでもないぼったくり価格になっています。

試しにAmazon.comの方で調べてみると、国際便で日本にも送ってくれるようです。値段が6.21ドルで送料が5.47ドルなので2倍近い値段になってしまうことになりますが、国内でもそのくらいの送料がかかるのは普通ですし、日本のAmazonのぼったくり価格よりははるかにマシです。

www.amazon.com

早速注文してみたところ、中身は昔買ったことがある純正の「Kork Pflege」とほとんど同じものという印象でした。蓋を開けると中に刷毛がついていて、そのままコルクに塗ることができるのも「Kork Pflege」と同じです。純正品に比べると若干サラサラしているような気もしますが、その方が薄く塗りやすいのでむしろ使いやすい感じです。

f:id:leopardgecko:20180918135308j:plain

仕上がりも「Kork Pflege」と同じくしっかりと透明になり、Waterproofsと書いてあるので試しに水で濡らしてみましたが白濁したり溶け出したりする様子もなさそうです。説明書きには2回目を塗るときは20分待って乾かしてからとあり、その通りに乾かしつつ数回に分けて塗ってみるとかなりしっかりとしたコーティングになりました。コルクの補強作用もあると思われますので、見た目がパサパサしてきたなと思ったタイミングで定期的に塗っておけばコルクのひび割れ・剥がれ・潰れも予防できるでしょう。

ビルケンを大事に履くにあたって、個人的にはコルク補修剤は非常に重要なアイテムだと思っています。これがあるのとないのではフットベッドの寿命がかなり違ってくるのではないでしょうか。日本でももっと簡単に入手できるようになれば良いのですが・・・

jRogue for macOSアップデートのお知らせ。

jRogue最新版(5.4.5J.040)のダウンロードはこちらから。

Mac用日本語版ローグのアップデートのお知らせです。

今回のアップデート内容はわざわざブログに書くほどのものではないのですが、どういうわけかTwitterから配布サイトにリンクが貼れないのでお知らせ用の記事として書いておきます。

見た目の変更点としては、これまでメッセージで使っていた記号が少し変更になります。例えば、『[続く]』 が『--続く--』になります。これはどういうことかというと、もともとjRogueはローグ・クローン2の和訳を流用していたため記号もそれに準じたものにしていましたが、今はオリジナルのローグをそのまま直訳する方針に変更したため記号もオリジナルに近いものに変えたということです。また、ローグ・クローン2ではなぜか全角表示に強いこだわりがあったようなので以前のjRogueではそれに敬意を表して数字以外の文字ではなるべく全角文字を使うようにしていたのですが、そういう縛りもなくす方向にしました。

本来であれば前回のアップデートの時にまとめて変えるべきだったのですが、どういうわけか取り残してしまいました。

他の変更点は些細なものであり内部動作には変更はありませんので、見た目にはこだわらずアップデートが面倒だというような場合は以前のものをそのまま使っても何の問題もありません。

追記:Twitterから配布サイトに直接リンクが貼れないのはやはり不便なので、この際思い切って配布サイトをGitHubに引っ越ししてみました。サイトのデザインはほとんど同じなので、これまで通りにご利用いただければ幸いです。

手塚治虫『妖怪探偵團』について。

今回はMacやローグとは全く関係ない話ですので、興味がない方は読み飛ばしてください。

今年はかの漫画の神様、手塚治虫の生誕90周年だそうです。ファンの端くれとして何か自分にもできることがないかと考えた結果、知る人ぞ知る封印作品である『妖怪探偵團』のwikipediaの記事を書いてみることにしました。

その記事の内容は大したことはないのでさておき、この作品をここで少し紹介します。

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1948年という戦後間もない時期に出された漫画単行本で、精神障害や奇形などを前面にフィーチャーしており、悪意があるわけではないにせよ現代では差別用語とされる言葉もガンガン出てくるので復刻は不可能と考えられています。そんな作品をあえて紹介するのは、そういった経緯を抜きにして考えてみても興味深い点がいくつかあるからです。

 

例えば、この作品には忍術使いの少女が出てくるのですが、この少女は猿飛佐助の子孫であり先祖から受け継いだ異常体質の持ち主であるがゆえに忍術が使えるという設定があります。その体質を受け継いでいない父親は忍術が使えないのです。これは非常にSFっぽい発想だと思いますし、後の白土三平の『忍者武芸帳』などにも通ずる考え方だと思います。1940年代という時代を考えると画期的だったのではないでしょうか。

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また、登場人物の一人(三人?)に、頭が三つある人間が出てきます。作中では本来は三つ子で生まれるはずだったがくっついて生まれてきた人だと説明されます。この人物は銃撃戦で三つの頭のうちの一つが撃たれて、その一つの頭だけが死んでしまいます。そのままだと残りの二つの頭も死んでしまうところですが、優れた医学博士による分離手術を受けて二人の別々の人間として生まれ変わります。これは20年以上後の作品である『ブラック・ジャック』を彷彿とさせる展開ですね。

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ちなみに、この作品の題名は『妖怪探偵団』なのですが作中には探偵団は出てきません。主人公のケンちゃん(手塚スターシステムのケンイチくん)が少年探偵っぽい役回りではあるのですが。表紙の絵には「APPARITIONS CLUB」とあるので、おそらく本来の題名は『妖怪クラブ』だったのが、それではインパクトが弱いと考えた出版社が題名を変更するように要望を出したのではないかと勝手に想像しています。

それに似たような初期作品のパターンとして『地底国の怪人』があって、手塚治虫がもともと考えてた題名は『トンネル』でしたが出版社側の要望でタイトルが変更になっています。その作品では地底国の怪人にあたるキャラクターは出てきますが、それが話のメインではありません。

 

普通の子供向け漫画として精神障害や奇形をメインにフィーチャーするような作品は現在は当然ありえないものですが、おそらく当時としてもかなり特殊なものだったのではないかと思います。手塚治虫の著書によると、戦後間もない時期のわずかな期間、出版の内容が一切合切自由になってほとんど何でもありの状況だった時期があったようです。大手の出版物に対してはGHQによる厳しい検閲があったのでしょうが、いわゆる赤本のような漫画本などはその検閲を逃れていたようです。この作品はちょうどその時期に描かれたものなのではないかと思います。

戦前・戦中にこんな作品を出すことは全く不可能だったでしょうし、戦後も1950年代に入ると悪書追放運動が起こってきましたからやはり不可能だったでしょう。もちろん現代ではこんな作品が出せるはずがありません。日本の漫画史の中で、終戦直後のわずか数年間だけこのような作品が出せる時期があったのだと思います。

そういう意味では出版の歴史を感じさせる作品でもあると言えるでしょう。

 

この作品はそもそものテーマに大いに問題がある上におそらく手塚治虫自身が封印したものでしょうから再び世に問うのは少々心苦しいものもあるのですが、このまま歴史の闇に葬られてしまうのももったいないところがあるのではないかと考え、こんな記事を書いてみました。

初期作品では他にも書いてみたいテーマがあるので、気が向いたらそちらの記事もいずれ書くかもしれません。