オフィシャルのMac版InkscapeはXQuartzが必要とされます。そのために、ショートカットで使うキーがMacでお馴染みのコマンドキーではなくコントロールキーになってしまったり、普通の設定でコピペをするとビットマップでペーストされてしまったり、日本語が直接入力できないなどの難点がいくつかあります。
その解決策の一つとして、macOSネイティブのInkscapeを使うという方法があります。コピー&ペーストはMac標準のショートカットでできる上にデータがビットマップに勝手に変換されたりしませんし、日本語入力も一応可能です。ただしこれは正式版のアプリではありませんし、日本語入力が可能とはいえども変換が確定されるまでインライン表示されないという独特の癖がある点に留意する必要はあります。
今のところの最新版は
https://inkscape.org/en/~su_v/%E2%98%85inkscape-osxmenu-r12922-gtk2
のようです。
これも本家と同様にメニュー表示のバグがそのまま残っていますのでそのままでは日本語メニューが表示できませんが、前回記事の応用で修正が可能です。
上記のサイトからダウンロードしてきた「Inkscape.app」を右クリックして「パッケージの内容を表示」を選び、Contents→MacOSとフォルダをたどります。「MacOS」フォルダの中に「inkscape」というファイルがあるので、それをテキスト編集ができるエディタ(前回同様にこれもCotEditorがオススメ)で開き、321行目の
tail -n1 | sed 's/\./ /' | awk '{print $2}'`"
とあるところを
tail -n1 | awk '{print $2}' | awk -F. '{print $1}'`"
に書き換えます。
これでデフォルトで日本語で表示されるようになります。英語など他国語表記が必要な場合は設定から言語を変更すれば表示も変更されます。
修正の内容自体は前回の記事と全く同じなので、理屈を知りたい方はそちらを参照してください。