leopardgeckoのブログ

Macの関連事項など

macOSでデータ分離版ローグ(Rogue)を遊ぶ。

2016/12/8 追記:ここで紹介している方法は色々と面倒なので、もっと手軽に遊べるMac用の日本語版ローグ(jRogue for macOS)を作りました。こちらの記事を参照してください)

 

ローグ(Rogue) というのは知る人ぞ知るロールプレイングゲームの元祖的な存在です。元々は英語版のゲームですが、有志により古くから日本語化されています。現在一般的な日本語版Rogueは「データ分離版」とか「メッセージ分離型」と言われるもので、要はアイテム名やメッセージの部分だけ別のファイルに分離して日本語化されているものです。

かつてはMac用のアプリも存在していたのですが、時代の流れでそのアプリは今のmacOSでは実行できなくなってしまいました。そこでデータ分離版Rogueを今のMacで遊ぶ方法をいくつかご紹介します。

 

一つはテキストエディタvim上で動作するrogue.vimです。vimマルチプラットフォームなので、Mac用のvimを使えばrogue.vimも動きます。vimif_luaが有効になっている必要があるとのことなので、最初から有効になっているMacVim-Kaoriyaを使うのが手っ取り早いでしょう。インストールの方法はそれぞれのサイトを参照してください。macOS sierra(10.12.1)で動作確認済みです。

 

もう一つの手段は、Windows用のRogueMacで動かすというものです。Windows用アプリをmacOS上で実行できるWineというアプリを使います。Wineもいろいろなバージョンがありますが、日本語環境が最初から整えてあるEasyWineが一番手っ取り早いでしょう。少々大げさな手段かもしれませんが、Wineを入れておけば他のWindows用アプリも使えますから何かの役に立つこともあるでしょう。EasyWineを導入したら、へぽぽのソフト工房さんから「Rogue Clone II for Win32 Version 1.3.4」をダウンロードします。解凍してできたフォルダの中にある「Rogue.exe」をダブルクリックすればEasyWine経由でRogueが立ち上がるはずです。これもmacOS sierraで動作確認済みです。

 

最後に紹介するのが一番正統派っぽい方法で、ソースからコンパイルしてターミナルで実行するというものです。こういう形が本来のRogueの在り方でしょうが、やや手間がかかります。Xcodeなどの開発環境はすでに入れてあるものとして、まず、rougeclone2s (データ分離版ローグ・クローンII メンテナンスバージョン のUTF-8版)からソースをダウンロードしてファイルを展開します。普通はそこからターミナルで

./configure
make
make install

と入力する流れになるのですが、これをそのままやってもエラーが出てコンパイルできないので、まず

./configure CFLAGS="-g -O2 -w" LDFLAGS="-lcurses -liconv"

と入力します。あとは普通に

make
make install

でOKです。

rogueの本体は「/usr/local/bin/rogue」に入ります。データ分離版Rogueは起動時にメッセージファイルを指定する必要がありますが、そのファイルは「/usr/local/share/rogue/mesg」にあります。「/usr/local/bin」が実行パスに含まれていれば、ターミナルで

rogue /usr/local/share/rogue/mesg

と入力すればRogueを始めることができます。

いちいちターミナルでコマンドを打つのは面倒くさい!という場合は、CotEditorを使って以下のようなテキストを書いて、

/usr/local/bin/rogue /usr/local/share/rogue/mesg

保存の際に「実行権を付与」にチェックを入れ、ファイル名の最後に「.command」という拡張子をつけます。これでこのファイルをダブルクリックするだけでターミナルが開いてRogueが立ち上がります。

macOS sierra(10.12.1)でコンパイルしたRogueの実行を確認していますが、私の環境ではコントロールキーを組み合わせたコマンドがうまく働きません。それは使わなくてもゲーム進行に大きな支障はありませんが、その点はご注意ください。

おまけ情報として、make installするとmanファイルもインストールされるのですが、そのままではまともに表示ができないので少々修正が必要です。まず日本語のmanを表示させる環境を整える必要がありますので、この辺りを参照してください。次に、Rogueのmanファイルは「/usr/local/share/man/man6/rogue.6」にありますが、そのファイルの文字コードUTF-8に変換し(変換にはCotEditorでもnkfでもお好きなものを使ってください)、/usr/local/share/man/ja/man6/」に移動させます。これで「man rogue」で日本語で表示されるようになります。

 

また、日本語版にはこだわらない、データ分離型ではなくて本家の英語版Rogueを楽しみたい、という場合には、Homebrewが入れてあればコマンド一発でインストールできます。これが一番簡単でしょう。このRogueのバージョンは5.4.4で、おそらく最終バージョンです。

brew install rogue