Rogue for macOS (Rogue 5.4 日英切り替え・カラー化・Mac対応)のダウンロードはこちらから

これまでは「jRogue for macOS」という名前で日本語化したRogue 5.4の配布を行っていましたが、これまでで最大の変更を加えることになりました。
今回はオリジナルの英語版を取り込み、日本語と切り替え可能の仕様にしました。起動時での言語指定だけでなく、ゲーム中にもオプション設定画面で自由に切り替え可能です。日本語化したRogueというよりは日本語・カラー化の機能拡張を行なってMacに移植したRogueという形になりましたので、「j」の字を取って「Rogue for macOS」と改称しました。
ゲーム自体の内容はこれまでとほぼ同じですが、カラーを少し見直し、和訳の表記揺れなどを若干修正しています。カーソルの有無もオプション設定画面で選択できるようにしました。カラーの時はカーソルが消えますが、モノクロの時はカーソルが出るようにしています。
大元のRogue 5.4ではカーソルが出るのがデフォルトなので、モノクロの時はオリジナルの5.4に近い外観になるようにしました。当時を偲ぶターミナルの設定としては、黒い背景のモノクロでカーソルをアンダーバーにして点滅させるのがおすすめです。
モードの名称も見直しをして、「モダン」「クラシック」に変更しました。カラー表示や識別の巻き物を1種類にするような追加機能は「モダン」、元々のRogueに近い外観・操作感は「クラシック」です。英語版の「クラシック」で起動すれば、ほぼ素のままのRogue 5.4です。(これが一番やりたかった!)
さらに!さらに!今回の目玉はもう一つあって、これまでのRogue 5.4に加え、Rogue Clone IIIも選んで遊べるようになりました。こちらも5.4同様に言語は日英切り替え可能で、カラー化しています。若干手前味噌(笑)になりますが・・・、Clone IIIの日本語化・カラー化は本邦初だと思いますが、オリジナルとクローンの系統を一つのアプリにまとめてしまったのは世界初ではないかと思います。(すでにやっている人がいたらすみません)
言語切り替えとクローン系統のMac対応は以前からやりたかったことだったのですが、あまりにも作業が膨大すぎて手をつけることができませんでした。それができるようになったのは、AIのおかげです。もちろんAIが何もかもやってくれるわけではありませんが、複雑で大規模な変更をある程度自動でやってくれるのは大助かりでした。
英語版のRogueをやりたいならHomebrewの公式リポジトリのRogueを入れれば良いのですが、初めから英語で遊ぶのはなかなか敷居が高いと感じる人も多いでしょう。しかし、普段は日本語版を楽しみ、ちょっとつまみ食いのような感じで英語版も楽しむ、というような遊び方なら気楽にできます。英語ではこういう表現だったのか、という新たな気づきもあるでしょう。ゲーム中にオプションでいくらでも切り替えられますから、気軽に日本語と英語を行ったり来たりして本物のRogueの雰囲気をお楽しみください。ターミナルで使えるオリジナル系統のRogueでオンタイムの言語切り替えができるのも世界初ではないかと思います。(すでにやっている人がいたら再びすみません)
クローン系統のMac対応もjRogueを作っていた頃からの悲願でした。わたしはもともと日本語版クローン2の流れである「データ分離版ローグ」のMac版がRogueの初体験だったので、クローン2には思い入れがあります。ところが以前のブログにも書いたように、今時のMacで気軽に安定して使える日本語版クローン2は残念ながらなかったのです。
そこで今回採用したのがクローン系統の最終形といわれるClone IIIですが、なぜ日本語版クローン2ではなくClone IIIなのか? ・・・少々長くなりますが、順を追って説明します。
最初はデータ分離版ローグをMac対応にしようと考えて、実はいったんは完成しています。そこでふと、「5.4はオリジナルのソースから始めたのだから、クローン2も移植版ではなくオリジナルからやるべきなのでは?」と思いついてしまったのです。そこでBSD版のRogue Clone Version II(以後、Clone IIと表記)のソースコードを入手してMacでも使えるようにしてみたところ、実はデータ分離版ローグとClone IIはけっこう違うものだというのがわかってきました。
オリジナルのClone II(何とややこしい表現!)は危険なまでに尖ったシンプル仕様になっており、何とオプションコマンドもヘルプコマンドもありません。オプションは環境変数で設定することしかできないのでゲーム中の変更は一切できません。Rogueにはお決まりの【運命の洞窟への案内書】も添付されておらず、添付文書はオリジナルRogueとの違いがそっけなく書かれたメールの内容を記載したテキストのみです。プレーヤーの移動を描かない「jump」は最初から有効になっており、わたしが5.4をMacに移植したときにこだわったアニメーション表現は初めから捨てにかかっています。つまりClone IIは、オリジナルのRogueを知り尽くした人がガンガンサクサク遊ぶための超シンプル指向の上級者向けというのが本来の姿だったのではないかと思います。
ところが同じClone IIであるはずのデータ分離版にはオプションもヘルプもありますし、【運命の洞窟への案内書】も添付されており、そこかしこに初級者向けの気配りが加えられています。これがデータ分離版が広く普及した理由の一つだろうと思います。
もう一つ大きな違いは、プレーヤーが殺されてしまった時の画面です。オリジナルRogueの系統やデータ分離版ではお馴染みの墓標が表示されますが、Clone系統では、ガイコツが表示されます。データ分離版にも一応ソースコードにはガイコツが残っているのですが、普通にビルドした場合は墓標が表示されることになっています。
ドキュメントを読んでみると、データ分離版の元になったローグ・クローン2日本語版の時点でかなり大きな機能追加がされていたようです。おそらく、Clone IIがあまりにもストイックな上級者向けの仕様だったため、初級者でも気軽に遊べるようにオリジナルに寄せていこうとの判断だったのでしょう。
その気持ちは非常によくわかりますし大いに共感もするのですが、本来のClone IIとはやや離れたものになっている、という見方もできます。個人的には大好きなバージョンではあるものの、「カラー化や日本語化は行なっていても大元の形はできるだけ維持したい、むしろ本来の形に寄せていきたい」という当アプリの方針にはちょっと合わないところがあると考えざるを得ませんでした。
そこで今度は改めてClone IIIのBSD用のソースコードを調べてみたところ、クローン2日本語版のようにオリジナル系統に寄せた機能が追加されていることがわかりました。これならば初級者にもお勧めできてサクサク遊べるクローン系統の良さも活かせます。そこでClone IIIを採用したというわけです。
Clone IIIの操作感はクローン2日本語版とほぼ同じでアイテムに若干の違いがある程度ですから、クローン2日本語版やデータ分離版に慣れ親しんだ人でもほとんど違和感なく遊べると思います。クローン系統ならではのシンプルなサクサク感をお楽しみください。
Clone IIIのカラーはあえて5.4とは同じにせず、クローン2日本語版への一種のオマージュとして、プレーヤーは緑、怪物はマゼンタ、アイテムはイエローにしてみました。ただし原色ではなく、テキストエディタのシンタックスハイライトで使われるような色合いを意識しています。怪物は5.4のような細かい色分けはせずマゼンタ一色ですが、これはシンプル指向であるクローンの世界観に合わせたつもりです。
5.4にはプレーヤーが走ったり物を投げたりするときにアニメーション的な動きを見せるために表示遅延処理を入れていますが、Clone IIIにも同様の機能を入れています。実はクローン2日本語版やデータ分離版でもソースコードでは一コマずつ描写されるようになっているのですが、当時のPCの速度ではすでに瞬間移動になっていて実際にこのような動きを見た人は少ないのではないかと思います。クローン系統でも実はこれが本来意図されていた動きだと思っていただければ幸いです。
(ただし上記のようにClone IIではアニメ処理キャンセルが初期設定のため、アニメ表現の機能はあるがあえてキャンセルするというのが本来のあり方かもしれませんが・・・💦)
わたしがこの機能にこだわっているのには理由がありまして、走ったり投げたりする時だけでなく、何かを発射する魔法の杖やドラゴンの炎などにもちゃんとアニメーション表現があるのです。演出上これがあるのとないのでは大違いだと個人的には思っています。特に魔法の杖は種類によってアニメーション表現が少し違ってくるというような細かい演出上のこだわりがあります。しかも5.4とClone IIIではまた違う表現なのです。そういったRogue本来の「動き」をぜひお楽しみください。
さらに、今回のアプリにはもう一つ大きな仕掛けが隠されています。それについては次の記事で触れますので、もうしばしお待ちください。